構えると腕に力が入って痛くなる。緊張する時の楽器の違和感への取り組み方
どうも、山口裕介 USKです。
今回はトロンボーン奏者と「楽器を構えた時の違和感」についてレッスンをしたお話です。
本番前の楽器への違和感
今回の相談は、トロンボーン奏者の方で、本番前の楽器への違和感について。
「本番当日、リハーサルは問題ないが本番前に楽器を持った時の違和感を感じやすくなった。違和感を持ったまま本番になるため、いつもより力んでしまい腕が疲れる、痛くなる。」
僕もこれ身に覚えがあって、リハーサルはいいけど本番前になるとスティックの感触・重み・質感がどうもしっくりこなくて、演奏しにくい時がありまして。
思ってた感覚とズレが起こると不安になります。不安は身体にも影響するので、重く感じたり肩に力が入ったりするので、僕はめっちゃ嫌いな状況です。
リハーサルと違って緊張感が高まる本番前は、身体の反応や考え方も切り替わるから、感覚には差が出て当然。違和感は当たり前っていうことなんやろうけど。
当たり前であろうが、なんもせんかったら気持ち悪いやん。
何もしないのと、何か対策を持ってるのとでは安心感が格段に違う。
なので、今回もこの方へオススメしたアイデアをご紹介しますね。
五感を上手に使って違和感から新鮮さに変えよう!
ではさっそく実践してみましょう。
①楽器を持ってみましょう。
いつも通り演奏するように楽器を持ってみてください。
歌の人ならマイクや楽譜などでもいいですね。
打楽器ならスティックやマレット、シンバルなんか重いし面白いと思います。
楽器がなければ、近くにあるものでいいので見つけたら手にとってみます。
特に何もなくいつも通りの感じかな。では置いてください。
②次に手にとる前に考えてください。
この取り組みに五感の1つ「触覚」を積極的に使ってみます。
- 「どんな肌触りなのか?」
- 「冷たい?冷たくない?」
- 「ツルツル?ザラザラ?」
- 「どんなカーブがあるのか?」
楽器を見ながら上記のことを考えつつもう一度楽器を持ってみてください。
ここですでに違いがある人もいるとは思いますが、触覚作戦はもう少し続きます。
③普段は触らない部分まで優しく触って確かめてみる。
普段はほとんど触れることのない場所まで触ってみましょう。
小さな傷などもあればそれも意識的に触ってみます。②で書いてた質感、温度、形を新鮮な気持ちで触ってみてください。ある程度、触れたのちに楽器を構えてみてください。
テューバの方とかは重いからあまりやりすぎたら疲れるので、台に置きながらでいいので「触れる」ことが目的なので工夫してみてね。
①の時と②③を通して楽器を構えた時、演奏してもいいですね。
何かしらの「違い」はあると思います。このトロンボーンの方は、手にしっくりきたとのことでした。
良くなると期待してやると逆効果になるので、あくまで情報をただ集めてみることです。
重く感じると答えた方もいますが、それはいつも必要以上に力を入れすぎて持っていたから、重みがしっかり胴体まで伝わっていなかったというケースもあります。
当たり前ではなく、いつも新鮮に!
楽器は何百、何千、何万回と触れるものなので、「これはこういう物だ」と当たり前になってくるものです。
慣れてしまうことで無意識になってしまい。「これはこういうもの」が強くなることで、少しの環境の違いでも違和感を感じやすくなります。
緊張に悩む方はとても繊細な方が多いので、できるだけ違和感は避けたいところです。
今回のアイデアは練習の時からやっておくと違和感に左右されなくて済みます。
「今日はどうかな?」と新鮮な気持ちで楽器と出会うことを実践してみてください。
1週間も続けてもらえれば、楽器の意外な特徴や伸び代を見つけられるかもしれませんね。
違和感ではなく、「毎回違う感じでいい」
選択肢の1つとしてこの考えも覚えておくことで、本番前の違和感にアタフタせんでよくなりますよ!
では今日はこの辺で!!
ほなまた。
山口裕介 USK