「ギュッと力むのをやめたい」それも必要だけど本来の目的が変わらないように注意!
どうも、ユースケサンタゴリラこと山口裕介です。
「音量をあげる時にギュッと力を入れすぎちゃう、脱力できる方法を知りたい。」
ここ最近のレッスンで続けて質問されたのでその時に主に伝えていたことを書いてみます。
二胡を演奏される方とのレッスンより。(写真は二胡がなかったのでチェロで)
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まず演奏してもらって動きを見させてもらって見えたのは音量をあげようとすると「胸を張る、肩を上げる」動きが見えました。
肩があがることは生徒さんも気づいていたようで、でもやめられない。
力んでるのはわかるけど、やめ方がわからない。
ありますよねーこういうの。
そこで僕は「音量をあげる時に考えてることは何?」と聞いてみると、
「力むのをやめたいから腕の力を抜こうとしている」とのこと。
この情報も含め、僕の推測からの意見は以下でした。
- 腕の力を抜こうとすることが、胸を張る・肩を上げる原因?
- 音量をあげてる感じを胸と肩をあげることで作っている?
ここで頭の整理タイム!
音を出すためには力を入れる必要があるよね。抜いてちゃ動けません。
そもそも出し方を知ってるから、入れすぎた場合に抜こうとするのよね。
「どうやって出しているの?」と聞かれたら、詳しく説明できる?
ここがめっちゃ大事!!
音を出すためにどうやって自分が自分の身体を使っているかを説明できるかですね。
今回はどうやって力んだかを説明できないからただ抜こうとしてしまっていたわけです。
どこにどう力を入れたかわからないのに、力を抜いたら必要なもんまで抜けてしまうのよね。
腕の動きに力を入れていきたいのに、抜こうとしながら動こうとするので本来の仕事の腕じゃなくて、胸や肩が仕事を補おうとしていたのかなと思ったわけです。
いつもと同じやり方がダメならプラン変更
さてレッスンに戻りますね。
「二胡で音量をあげたいなら?」と聞いてみると、弓と弦の摩擦を増やすことだそうです。
これまでは摩擦を増やすために脱力を選ばれたのですね。
では脱力をしようとしてうまくいかないならプランは変更して実験です!!
・もっと腕を動ける状況にしてあげるとどうか?
・弓が動く方向をよりはっきりと指示してあげるとどうか?
そこで今回は弓が動く方向をよりはっきりと指示することを選びました。
写真は最初のチェロ奏者をお借りして説明します。
<右から左へ弓を動かす場合>
弓の先端が弓全体を左へ導いてくれると思って動かしてみる。
腕で弓を動かそうとするのではなく、弓の先端に動きを先導してもらいます。
<右から左へ弓を動かす場合>
持ち手側の弓の先端が動きの先導をして動かしてみる。
または右肘が動きの始まりと思って動かしてみる。
これはBODYCHANCEのレッスンでよく出てくる「リーディングエッジ」です。
動きの始まりをどこに置くかで動きの質が変わるので色々と試すと面白いですよ。
右から左へ弓を動かす場合に2つ書いてるように、リードを弓か肘に置くかで音も変わりますよ。
さて結果というと、動きの方向がハッキリすることで腕はより使いやすくなったようです。
腕がより動けることで、胸を張る・肩を上げるのは見事に減りました。
上で頑張ってた張りが減ったから、腕にも重みが出て結果的に音量もアップしやすくなったということですね。
最優先は出したい音にする!
力むのは悪いわけじゃなくて不利だってこと。
そこから出したい音は出せると思います。
また力んで出てくる音が必要だったり、好みだったりもします。
ここで目的が変わってしまいやすいから注意なんです。
力んでいるからといって、
・演奏がダメなわけでもなく
・音が悪いわけでもなく
・演奏者として未熟でもなく
・人より劣っているわけでもなく
・ステージに立つ価値がないわけでもなく
ただ力んでいるだけでございます。なーんにも問題ないっす。
力むのをやめようとするのが音楽の目的ではないっちゅーこと!!
ただ出したい音が出なくて、それが動きや使い方が影響しているなら別の力の入れ方を探すのはOK!!
ギュッとするのをやめたいのはどんな音が出したいか、どんな演奏がしたいか?
自分の理想の音楽があるからというのを思い出せるようにしておきたいですね♪
身体の使い方や考え方を見直すようなレッスンをしていますが、
根本にあるのは「最優先は音や表現、音楽のため!!」
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
ほなまた!!
ユースケサンタゴリラ 山口裕介USK