「緊張して声が震えるのはどうして?」震えに動じない自分を作るために考えたいこと。
どうも、アレクサンダーテクニーク教師の山口裕介USKです。
今日は趣味で歌を歌われている方から「声の震え」について相談をいただきました。
震えの原因は色々なことがあるので、この方の状況に合わせて考えてみました。
「カラオケの1曲目の声が震える」
「職場の人と口論になった時に怒りで声が震える」
場面が違うのに、同じように声が震えるのはどうして?
そんなん知らん!って返したかったけど(嘘)、これまでの経験を振り返り、振り絞ってみました。
まずは基本を知る
「声帯が振動すること」で声は出ます。
声帯は真ん中の唇みたいなやつね。すでに全体が唇に見えるけど。
呼吸のときは開いていて、発声するときは閉じます。
この閉じたところに空気が通って振動して声となるわけですね。
次に声帯を動かしている筋肉いくつかあって、
・声帯を開く
・声帯を閉じる
・声帯を伸ばす
・声帯を弛ませる
・声帯を硬くする
それぞれの役割の筋肉があるので、それぞれが働きやすいほど発声はしやすくなります。
この筋肉も含め声帯が振動しづらくなるのはどんな時でしょうね?
様々な場面があるけど、いくつか絞って書いてみました。
例① カラオケの1曲目に声が震えてしまう
友達と楽しむために行ったカラオケの1曲目。気持ち良く歌い始めたいのに、震えて歌いづらい。ボーカルをしている人なら、けっこうショック。
楽しみたいのに、出だしに滑ったからあまり乗り切れず、、、なんて絶対嫌やん。
さてさて「声帯」のことを思い出しましょう。
声帯も人の子!?自分の一部ですよね。いつもご機嫌ではないわけ。
調子が良ければ、悪い時も、そんなに乗り気じゃない時とか、、、
自分の状態によって声帯の調子も変わってきますよね。
朝起きた時とか声が出しにくかったり、会議中にしばらく黙ってた後に発言する場になると声がカスカスになってたり。
カラオケの1曲目で声が震える理由の1つは、まだ声帯が振動できる準備が整っていなかったわけです。
ライブならちゃんと準備運動しますよね。それと同じで歌うという条件は同じやねんから、店に向かうまでにハミングしながら準備運動はしておくのがいいですね。
当たり前のようですが、忘れがちなことなのよね。
これがもしライブや発表会、テストなど。より緊張感が増す状況になると、「うまくやろう」「間違えないように」が先に来てしまって準備運動をおろそかにしてしまったりするやん。
ここは大事に抑えておきましょう。
例② ストレス・プレッシャーのかかる状況
会社の後輩と意見がぶつかって喧嘩のようになった時。
怒りの感情が出た時にも声が震えたりしますね。
まずストレスのかかる場面だと呼吸が早く・浅くなります。
呼吸が早い、浅いままやと、声帯を十分に振動させる状態にないから、声がこもったり、小さくなる。
口論中は一種の緊張状態なので、生物としての本能も発動して、口や喉が渇いてくるので、声も震えるようになるんですね。
声帯はあんま振動せえへんし、口と喉カッサカサってことやな。
声帯の気持ち考えてあげたら、震えた声で話せてるならまだええやんってなってきたわ。
①と②を通して共通する緊張の条件
緊張する条件の中に以下のことがあります。
「人に見られながら何かをする、評価や判断を受ける時」
「自分をよく見せたい」
①では人前で歌うため、この条件が当てはまりますね。
この条件の中で人前に立つと、脳の扁桃体と呼ばれる危険回避のシステムが働くので、強く力を出そうと身構えやすくなるのね。
ここに参考になる記事を書いてて合わせて読むとわかりやすいかな。
過去記事→「緊張は味方!脳科学から見えてくる残念なお知らせ」
②は怒りやったね。
怒りは自分の気持ちを攻撃されたり、価値観が違ったり、侵害されたりした時に出てきますね。
この怒りも扁桃体からスタートするねんて。
要は、①と②も脅威を感じている場面に立っているのです。それに気づかないままでいると、脅威から身を守るために身体は身構えたまま!!
ここはまず身構えてる身体を動けるようにしてあげましょう。
自分にかかったブレーキを外してあげる!
自分に制限をかけたまま、行動に出ようとしているわけやで。
ブレーキ握ったまま自転車を漕ぐみたいに。
そのブレーキをまずは外してあげましょう!!
アレクサンダーテクニークがここでめっちゃ役に立ちます。
ブレーキを外すために次のことを考えてみよう。
・頭を動けるようにしてあげよう
・首を楽にしてあげよう
・視野を広くしてみよう
この3つは言い方が違うだけで目指すところは同じ、なのでどれを選んでもらってもOK!!
「なんでこれが効果があるのか!?」
人前に出て脳が脅威を感じた時に、僕らがやってしまうことがあります。
首にギュッと力が入ること!
そうなると、なんと一瞬で呼吸が浅くなります。びっくりしたみたいに首に力を入れたらわかります。力を入れたまま、息を吸ってみたらほとんど息が入らへんでしょ。
このままだと腕も脚も動かしづらいんですよ。(やらんでいいけども、このまま立ったり座ったりしたらわかります)
震えの原因はここにあり!
この状態で声を出したから、呼吸は浅いから空気の出入りもしにくい。
声帯も振動しにくいし、声を出すのに頑張らなあかんから震えた。
原因は1つじゃないけど、こんな視点からヒントになれば。
自分自身を優先することを大事にしてね。
首にギュッと力が入ったままでは、カラオケやと歌いにくいし、怒ってる相手に自分の意見が言いにくいままです。
楽器の演奏も同じくです。
緊張する条件を思い出して、
「人に見られながら何かをする、評価や判断を受ける時」
「自分をよく見せたい」
この条件が当てはまる時には、脅威を感じる場面ということにしてみよう。
で、まずやることが「自分が動きやすい、呼吸しやすい状態」にすること。
さっきのこれね!
頭を動けるように、首を楽にしてみる、視野を広くする。
3つとも全部使ってもいいから、呼吸しやすい状態=身体が動きやすい状態にしてあげてくださいね。
最後に!
声が震えないのを目指すのではなく、震えても「やれることはある」と震えに動じないようになっていきましょう!!
ふぅ、もうこの辺で勘弁してもらいます。
ほなまた!!
山口裕介 USK