椅子に座ると演奏しにくくなる。トランペット奏者とのレッスン
どうも、 USKことユースケ・サンタゴリラです。
つい最近のレッスンで椅子に座ると演奏しにくくなるとトランペット奏者に相談された時のお話です。
・立って演奏するのは気にならない。
・座ると急に演奏しにくくなってしっくりこない。
・椅子を変えれないし、どうしたら?
ドラマーとしては椅子に座ることがほとんどなので得意分野です。
まずは何が起きているかを実際に見させてもらいます。
まず立って演奏する、次に座って演奏する。
この順で吹いてもらいました。
その方が座ろうとしたその瞬間、それは起こりました。
椅子に座ろうとした時に、胸を下ろしました。
ため息をついたような動きと言えばわかりますか?
先ほどまでスッと立っていた方が座ろうとした時には胸をなでおろすように座りました。
その後に、姿勢を正すかのようにグイーッと腰を前に押すように背筋をピンとされました。
この動きを見て提案したこと
これでも演奏はできますがしっくりこない。
座る時に胸をなで下ろすのをやめてみるとどうか?
本人は気づいていなかったようなので、実験としてやってみました。
座ると思うと動きが習慣的に起きてしまうようなので、次の順番で座ってもらいました。
提案:
①座ると考えるのはやめる。
②ただ椅子の前に立つ。
③膝・股関節・足首をおしりが椅子につくまで曲げていく。
④おしりが椅子に触れたら体重を椅子に預ける
この方は「座ろう」と考えるとこれまでのクセが出ちゃうようですね。
「はい座ってー」っと言ったら、座る前に胸をなでおろしちゃいます。
座る前に座っちゃってるってことですかね。これは僕もレッスンで同じこと言われたので、見えるようになったんですよね。
そこでこのクセをやめたいならその時に使っている言葉を変えてみることにしたんです。
で、その言葉は実際に起きてほしい行動を話すこと。
椅子に座るのに胸を下ろす必要はなく、脚が曲がっていけば胴体へ下へ向かいますよね。
なので、今回は脚がどう動けばよいか?
どう動けば結果的に座れるかを試してもらいました。
「座るんじゃなくて、脚の仕事、脚が曲がっていく、脚の仕事・・・」
呪文のように起きてほしいことを唱え続けながらやってもらいました。
その結果、胸をなで下ろすような動きはなくなって、立っていたような上半身のまま座れました。
そうすることで、腰をグイッと押して姿勢を正す必要もない。
「胸をなでおろすこと」+「座ってからの腰グイ」
この2つの動作が減りました。
この腰グイッと背筋を伸ばすのは呼吸しにくくなる、指が動きづらくなると2つはデメリットあるしね。これはまた別の記事で紹介しますが、腰グイは身体の仕組みからするとオススメできないんです。
その方から「椅子に座っても違和感がなくなった、演奏しやすくなった。」と言われたので僕も一安心。
よかったー( ^ω^ )
まとめ
Twitterではこのようにつぶやきました。
イスに座る前から演奏が始まっていると考えてみる。座る直前にしている行動が演奏に影響しているかも?
座る前から体を縮めたり、首をすくめたり、演奏とは関係のない動きをしてないか?演奏中だけでなく前後の行動を見直してみるのも大事なプロセス。— USK ユースケ・サンタゴリラ 山口裕介 (@usk_kimidori) 2017年3月26日
立つから座るなど、状況が変わった時に何かやりにくいなと感じた時は、その状況に反応しちゃってるわけですね。
その状況が変わると身体の動きにも影響が起こります。
その影響がどんな動きになっているのか?
そもそも演奏するのに有利な動きになっているのか?
自分を観察できるようになれば、状況が変わってもある程度コントロールできるようになります。
やりにくいな、おかしいなと思ったら、いつもと状況がどう違うのか?
まずそこから考えてみて、自分に興味を持ってみると解決策の糸口が見つかりやすいと思います。
山口裕介 USK ユースケサンタ・ゴリラ