「もっと響く音が出したい」身体の緊張が緩和すれば自分も響く豊かな音になる。
どうも、山口裕介USKです。 今回もレッスンでのお話をご紹介します。
「もっと響く音が出したい。
周りには出てるよと言われても自分ではどうも出ていない気がする」
お話を聞いていると音は出ているようだけど、自分で納得ができてない様子ですね。アレクサンダーテクニークのレッスンでは、この自分の感覚と実際の結果とのギャップを埋めるサポートができます。
【情報を集める】実際に出ている音を判断する
ひとまず「今日はどう思うのか?」と新鮮な気持ちで演奏してもらいました。
ここで大事なのは響いてるか?どうかだけを見ていません。
それが起きたならそうやし、予測しながらやってもらうと引き寄せちゃうしね。
「今日はどんな演奏になるかな?どんな音が出るのかな?」
と、できるだけ新鮮な気持ちで演奏してもらうことを提案しています。
とはいえ、ついつい予測してしまうものですけど、まあここはご愛嬌で、、、
できるだけね、やってみようとしてほしいのが僕の願いです。
もう1つ言うと、それが起きるかどうかを僕が予測してみていると、他のことには気づけないわけね。
だから、全体を観察させてもらうために、教師自身も新鮮な気持ちでいる必要があるんです。
【見えてきたこと】音ではなく音を出している自分が気になっていた。
今日の演奏を見せてもらって見えてきたことがあります。
USK「吹いてみてどうでした?」
生徒さん「音は出てはいますね。ただ力みが気になります。」
USK「力みが気になるんですね。ほんで、音は出てるってことね。」
生徒さん「音は思ってたほど悪くないです。でも力んでるのがちょっと納得いかないです」
・・・
まず良かったのが、新鮮な気持ちで取り組んでもらえたから、今日の音は判断できたことですね。
「身体の緊張・力みが気になり納得いかない。」
周りに音出てるよと言われても納得いかなかった理由が1つ見えてきましたね。
【力みを見つける】原因は「最初のブレス」のタイミングで起きていた!
さきほども書きましたが、僕も新鮮な気持ちで生徒さんを見ていたおかげで解決へのヒントが見えました。
フルートを構えて、息を吸って、吐くのが一連の流れですよね。
この構えた直後の吸う、「ブレス」の時に胸を張る・上げる動きがありました。
これが生徒さん自身が力みに感じるものじゃないかなと思ったので、「ブレス」の時にどんなこと考えてるか、何を気をつけているかを聞いてみました。
・1音目にちゃんと音が当たるか不安
・そのためにしっかり吸っておきたかった
音がちゃんと出るか不安で、しっかり吸おうとすることで、胸の張りが起きていたのかなと推測されますね。
それと今回演奏されてる曲は、めっちゃソフトな音から始まるのも力みのキッカケかもしれませんね。
ホンマかどうかはこの情報をもとに実験してみないとわからないですよね。
果たして気になる力みはこの「ブレス」のタイミングの話だったのか?!
【力みを減らすプラン】「最初のブレスは思い切ってやめてみる」
さてここで、生徒さんから一瞬、不審がられた管楽器を知らんやつからの提案です・・・
「ブレスで力んでるなら吸わなかったらええんちゃいまっか」
こんなコテコテでレッスンしてませんが、何を言い出すかと思ってこんな風に聞こえたかもしれんね。
無責任に言うてるちゃいますよ、理由はちゃんとあります。
- ・フルートを口に持ってくるまでにそこそこ吸っている。
- ・1音目はベリーソフトな音やから
1はやってみていただくとわかるんちゃうかな。
口に物を持ってくるとき、息を吐いてる?吸ってる?
食べ物やったらわかりやすいかな?
息吐きながら、ご飯を口にいれないですよね。
楽器も同じなんかなと思ってます。
気づかないうちに、吸う準備は構える時点でやってることがほとんどでしょう。
ここまで読んで「自分は息を止めながらやってるわ!」と気づいた人は、それはどうなのかな?と考え直してみるのもありですね。
という理由をもとに次の作戦で実験しました。
「ブレス」やめるためのプラン手順
①頭を動けるようにして(過去記事参照→頭の動きを止めるとカラダが動きにくくなる?!)
②楽器を構える→口に歌口が当たる間にブレスはしていることにする。
③歌口が口に当たれば、そのまま息を入れる。
以上の3ステップ作戦。
生徒さん「すごく楽です、不安もなかったです。」
音はすでに出ていると最初に自分で判断されていたので、気になっていた「力み」は解消されました。
ここからさらにわかることは、
・この曲の冒頭はあまり吸わなくても音を出す分は用意できていた
・動作を1つずつ順番に考えていくことで、1音目の不安は入ってこなかった
1つ解決する中に、思った以上の嬉しい発見が出てきましたね。
1つの緊張がほぐれていくことで、紐づいていたことが浮かび上がってきたりとつながりは幅広いもんですね。
最後までお読みいただきありがとうございます♪
山口裕介 USK