
伸び悩みとサヨナラ!「前向きになる」言葉の選び方
どうも、アレクサンダーテクニーク教師の山口裕介USKです。
今回は「毎回失敗してしまって、うまくなってる気がしない。何が原因か演奏を見て欲しい」とレッスンに来てくれたトランペット奏者さん。
忙しいお仕事の後に少ない時間やけどできるだけ練習はしている。でも本番でミスをしてしまうことが続いてるとのこと。
上達している実感がないと練習も辛くなりますし、本番の緊張が増すのでどうにかしたいものですね。
この方と会話をしていると、「ミスをしないように頑張ってるんですが」「次は失敗したくない」とよく使われている「〜しない」という表現。
そこに注目して次のような話をしました。
「ミスをしないように演奏するからミスをする」
あなたが使っている言葉は身体に影響しているって聞いたことあります??
「ミスしないようにね!」
「間違えないように!」
「緊張しちゃダメだよ!」
この生徒さんだけでなく、レッスンをしている先生も同じような言葉を使われていることがまだまだ多いですね。
「~しない」「~しちゃだめ」ワードは永遠に不滅なのか。
僕も気づけば日常では使ってる時があります。
うちの犬は8歳ですけど、トイレが下手でね。ミニチュアダックスなので、胴体が長いからトイレからはみ出るんですよね。「そこでトイレしちゃだめー」なんて、とっさに言ってしまうもんです。
「~しない」ワードは染み付いた言葉ですね。
これが自分に向けて使っていたらどんな影響があるのか?
ここ大事で、使うタイミングによっては危険なんです。
◆脳は最初の言葉に反応しちゃう
どれだけ「~しない」と否定したとしても、脳は最初に出てきた言葉に反応します。
「音を外さないように」だと音を外したことをイメージしてしまう。音を外したイメージが浮かぶと、身体も一緒に反応して、その時の動きを呼び起こしてしまう。
起きてほしくないのに、イメージしちゃうから呼び戻してしまう、なんとも切ない結果になるのよね。
◆身体は思った通りに動くもの
また生徒さんは「身体が思った通りに動いてくれない」と言ってましたが、それは見方によるのよね。
まあ、望んだ結果が起こらなかったから気持ちは分かるね。
「音を外さない」だと、音を外すイメージが働いて、身体はついついそっちに動いてしまうのよね。
でも、これを考えたのは自分自身やん。
「音を外さない」って言ったから、イメージが働いて身体はそれについていった。
結果は不本意やけど、思った通りに動いています。
でも大丈夫!!
この視点から考えていくとしたら、身体は思った通りに動くってこと!
どうやって思えば、身体は望んだ結果に方向に進んでいけるかを考えましょう。
◆「何をすればいいか」の行動を考える!
普段の言葉使いをまずは観察していくことがスタートです。
・洗濯物を取り込むのを忘れない
・風邪をひかないように
・奥さんに怒られないように
・音を立てないように
・youtubeを見過ぎない
・遅刻しない、寝坊しない
思い当たることありますよね?そこで今日から言い換える実験をしてみませんか?
・洗濯物を取り込むのを忘れない
→ 夕方になれば洗濯物を取り込む
・風邪をひかないように
→ マスクをする、暖かい格好をする、うがいをする
・奥さんに怒られないように
→顔の表情をしっかり見る、髪型に注目する、話を最後まで聞く、スマホは置いて目を見て話す、食べた後のお皿はすぐ台所へ持っていく、静かに歩く、トイレットペーパーがなくなったら補充する、靴下はすぐ洗濯カゴへ入れる・・・etc
もう例はこの辺でいいですか、、、、
◆ POINT 練習問題「やってみよう!」
・言葉を「~しない」から「~する」に変えていくこと。
・「~する。」と、最後まで言い切る。
これを練習や本番前で使っている言葉を拾って変換していきます。
以下の空欄を埋めましょう。
・音を外さない
→「 する。」
・譜面を見間違えない
→「 する。」
・緊張しない
→「 する。」
学校の問題集でこんなん出してくれたらいいのにね、最近はあるのかな?
私立中学の総合学習で年間15回、授業を担当させてもらってんけど、その授業でこの問題を出したのね。
中学生でも「あー言ってる言ってる」ってすでに身についてしまってるのよね。
さあここからいよいよ大詰め!!今回の生徒さんに実践してもらいました。
◆生徒さんついに実践!!
「ミスをしないように」ではなく、
「楽器を構えて、お腹・肋骨を動かして、息を上方向に吐いて、◯◯の音を出す」
結果、気にしてた音がしっかり当たるようになりました。
試しに「ミスしないで吹いて」って言ったら音は綺麗には出ないのよね。そうすると、
生徒さん「ミスしないようにで吹こうとすると首に力が入ってますね」
ザッツライトやで!
ここが気づいて欲しかった嬉しいポイント!!
気持ちの問題だけじゃなくて、言葉に影響して身体も動いてるってところね。
両方が関係しているところに自分で気づけたのは素晴らしいすね。
この後は、ノリノリで音が当たる確率も増えて、逆に外す感じも身体の反応で分かってきたようです。
上達してるかどうかは結果だけで判断するじゃなくて、
「これならいけるんちゃうか」って光が見えてくる状況が過程に含まれてるか?
ここがあるかないかで、上達の実感や先に進む道が変わってくるよね。
いつのまにか使ってしまっている「〜しない」ワード問題。
解決策は簡単!
上記の練習問題のように、何度かやってるうちに上手になってくるから、楽器と一緒で繰り返しやってると馴染んできますよ。
普段からしないワードを使ってるのを見つけたら、「あーまた言ってるー♪好きよねー!」と発見を面白がって楽しむ気持ちでやってみてくださいね♪
ほなまた!
山口裕介 USK