1音目の不安とサヨナラ!「パフォーマンスの最大の敵は固定すること」
どうも、山口裕介ユースケサンタ・ゴリラです。
去年まで「緊張を味方につける」をテーマにしたセミナーを開催してました。
そこで出ていたお話を今回は紹介いたします。(セミナーは秋くらいにまた開催しようかと企んでます)
セミナーではこのような様々な質問やテーマにそって進めていきます。
今回はホルン奏者とドラマーとのレッスンでのこと。
それぞれのレッスンで共通点がありました。
最初の1音目が怖い時はどうしたらいいの?
想像してみてください。
舞台袖からステージへ出ます。
お客さんが目の前に300人以上います。
静まりかえった会場。
お客さんみんなこちらを見ています。
最初の音のきっかけはあなたから始まります。
ではどうぞ!
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めっちゃ怖くないですか!?
僕はドラムなのでよくわかりますし、イメトレよくしています。
ドラムなのでカウントをします。テンポが速くなってたら1曲目からバンド全体が崩れちゃう。
いつも責任重大です。管楽器や弦楽器、歌の方だと音を外したら?という不安がありますよね。
ではこの最初の1音を出す前に、自分に対してできる対処はなに?
どんなことがあるでしょうか?
2人に共通した動きがあった!
それぞれのレッスンテーマは以下の通りです。
ホルン奏者:
ソロ曲での最初の1音を出すのが怖い
ドラマー:
カウント後に身体が安定せず叩きづらくなる
どちらも演奏始めについてのテーマです。
実際に演奏を見せてもらい私は動きを見てアドバイスする役目。
できるだけリアルにしたいので他のセミナー参加者さんにお客さんになってもらいました。
そこから2人の共通点が見えてきます。
それは音を出す直前から動きがピタっと止まってしまうことでした。
具体的なタイミングとしては、
ホルン:
楽器を構える→マウスピースを唇にあてる→アンブシュアを作る→ここで止まる→ブレスをする
ドラム:
スティックを構える→ここで止まる→カウントをする
止まっていると判断したのは次の理由です。
- 身体の揺れがなくなる
- 息を止めている
- 目のうごきが止まる
- 脚の動きがなくなる
他にもありますが、主にこんなところです。
動きが止まる理由とは
「どんなことを考えていたのか?」
考えたことが身体に影響していきます。
そのタイミングで何を考えてるかを聞いてみました。
ホルン奏者
「1音目を外さないように!」
ドラマー
「テンポ間違えないか?ちゃんと叩かないと思って構えた」
たぶん他にも似たようなことを考えていたと思います。人は数秒の間にかなりの数の考え事ができますからね。
- 外さないように!
- 叩けるか不安!
- ちゃんと演奏しないと!
もちろんそうですよね。
外したくないし、不安やしちゃんと演奏したいのは当然ですね。
そこでまず簡単にこの2つのことを理解してもらいました。
カラダを固める2つの理由
①
人前に立つことで、まず身に危険を本能的に感じます。
その反応で反射的にカラダは身を守ろうとします。
それがカラダを固める1つの理由です。
このスマイル深呼吸でもお話したことですね。
関連記事:緊張がほぐれる「スマイル深呼吸」のススメ
②
これが大事なところ!!
カラダを固定させる、ギュッと固めることで得られる感覚があります。
それは安定感です。
カラダを固めることで身体を固定して安定させているかのように感じられます。
この身体を固めるのを安定させるためにと考えるのは危険です。
関連記事:「上手くやらなきゃ」は安定しない!前へ進む言葉を選ぶ
さてこここまでの話を2人に話すと「よく分かる」と共感してくれました!いえい!
さらに気づかれたことが、
「不安だから良い姿勢をしようと背筋を伸ばした。」
「しっかり叩かないとと思って腰に力を入れた」
と無意識にカラダを固めたことにも気づかれました。
背筋を伸ばす、腰を前にグッと入れて背中を反る感じ。
これと似たような動きが起きて身体を動けない方向へ固定するのが見えていました。
音楽家の最大の敵は固定化である
私の先生でもあるヴィヴィアンマッキー先生の言葉です。
「音楽家の最大の敵は固定化である」
「動き、動きは常に流動的であること」
流動的というのは、
その時々の条件によって動きが変わることと変われる状態でいることですね。
数秒そこにいるだけで「固定」となってしまいます。
動きがあるからこそバランスがとれて安定します。
必要なのは安定感より安心感
では身体を固めるようにしないために何をすればいいのか?
まず人前に立つだけで身の危険を守る反射があります。
この反応に対してどう対処するか?
固めているのはただ状況に反応しているだけ!!
人前に立ってまずやりたいことは、今いる場所の安全を確保することです。
これは僕のメルマガに登録して5日目に届くアイデアが使えます。
人前に出たらまずやってほしいのは、
・今どこに立っているか?
・フロアの1番奥はどれくらい距離がある?
・右には何がある?左には何がある?
・天井はどれくらい高い?
・床はどんな模様? など
何がどこにあって距離はどのくらいか?と前後左右、四方八方の安全確認です。
そして今いる場所が誰にも邪魔されない安全な所にいるんだと認識することです。
ステージはめっちゃ安全な場所です。
今いる場所の安全を確保することで安心感が生まれてきます。
安心感は身を固める動きを取り除いてくれます。
ものごとについてどう考えるかで、受ける影響は変化していきます。
一音目が不安な場合はまずは安全な場をどう作るか?をぜひ考えてみてください。
ほなまた!
山口裕介 USK ユースケサンタ・ゴリラ